ハードウェア保守：故障対応や修理・交換

法人向けパソコン保守におけるハードウェア保守では、業務の継続性を確保するため、以下の包括的なサービスを提供しています。

• 定期的な予防点検と清掃作業
• 故障時の診断・修理対応
• 部品交換や機器の入れ替え
• 周辺機器のトラブル対応

故障発生時には代替機の貸出しサービスも行っている場合があり、業務停止のリスクを最小限に抑えます。また、保守対象機器の使用年数に応じて、予防的な部品交換のタイミングを提案することで、突発的な故障を防ぎます。

ソフトウェア保守：OSアップデートやセキュリティ対策

法人向けパソコン保守におけるソフトウェア保守では、以下のサービスを提供しています。

保守項目	おもな内容
定期的なOSアップデート管理	・WindowsやMacなど各OSの最新アップデートの適用 ・アップデートによる不具合の事前チェックと対応 ・セキュリティパッチの適用状況の監視
総合的なセキュリティ対策	・ウイルス対策ソフトの導入・管理 ・ファイアウォールの設定と監視 ・不正アクセス防止のための設定
業務ソフトウェアの保守	・Microsoft Office等の更新プログラムの適用 ・ビジネスソフトの動作確認とトラブルシューティング ・ライセンス管理のサポート

これらのサービスはビジネスに支障が出ないよう、計画的に実施します。また、緊急性の高いセキュリティアップデートについては、優先的に対応している場合もあります。

データ保守：バックアップや復旧・データ移行

パソコンの故障や誤操作によるデータ消失は、企業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、法人向けパソコン保守契約では、以下のデータ保守サービスが提供されています。

サービス区分	おもなサービス内容
バックアップ	・定期的な自動バックアップ ・クラウドストレージへのデータ保管 ・暗号化によるセキュリティ対策
データ復旧	・物理障害によるデータ復旧 ・ウイルス感染後のデータ救出 ・誤削除ファイルの復元作業
データ移行	・新規PCへのデータ移行 ・OSアップグレード時の移行作業 ・社内システム統合時の移行支援

これらのサービスは、企業の事業継続性を確保するうえで重要な役割を果たします。

オプションサービス：ヘルプデスクやオンサイトサポート

法人向けパソコン保守では、以下のオプションサービスを提供している場合があります。ヘルプデスクは、電話やオンラインで専門スタッフが問題解決をサポートする遠隔支援サービスで、迅速な問題解決を実現。オンサイトサポートは、技術者が直接訪問して対応する訪問型サービスで、現場での作業が必要な場合に対応します。

サービス種別	おもなサービス内容
ヘルプデスク	・電話・メールによる操作問い合わせ対応 ・リモートツールを使用した遠隔サポート ・休日・夜間の緊急対応
オンサイトサポート	・定期的な訪問点検 ・社員教育や新規システム導入支援

これらのサービスはニーズに応じて柔軟に組み合わせることができ、より安心なIT環境の維持を実現します。

規模別料金相場：小・中規模企業や大規模企業

パソコン保守サービスの料金体系は、サービス提供会社や契約内容によってさまざまな設定があります。一般的な参考価格としての目安を紹介します。

小規模企業向け（10台未満）の基本保守料金は月額1万円前後が標準的な価格帯です。これにシステムやハード保守などの追加サービスを含めると、1台あたり4,000～5,000円程度の費用が必要です。中規模企業（10～50台規模）では基本料金2万～5万円が一般的で、台数に応じて1台あたりの単価は3,000円台まで減額されます。

大規模企業（50台超）向けの基本料金は6万円以上が相場ですが、台数が増えるほど1台あたりの単価は低減します。100台規模以上では1台2,000円を下回るケースも。なお、これらの料金水準は保守内容、地域性、サービス事業者により大きく異なる場合があります。

契約内容別料金相場：スポット契約や年間契約

法人向けパソコン保守の契約形態は、一般的にスポット契約と年間契約の2種類が提供されています。スポット契約は必要時のみ利用する従量制で、基本料金は1回あたり15,000～20,000円が相場です。作業内容や緊急対応では追加料金が発生するのが一般的です。

年間契約は月額定額制で、基本料金は月額30,000～50,000円程度です。定期点検や優先対応が含まれ、年間一括払いでは5～10%の割引が適用されるケースが多く見られます。

近年は、計画的な予算管理やシステムの安定運用を重視する企業で、年間契約を選択する傾向が強まっています。

SLA（サービスレベル契約）の確認：対応時間や復旧時間

法人向けパソコン保守契約では、SLA（Service Level Agreement）の内容を詳細に確認することが大切です。契約前に確認すべき項目は以下のとおりです。

確認項目	確認ポイント
対応時間	・基本対応時間帯 ・休日や時間外の対応可否 ・追加料金の有無
駆けつけ時間	・地域による所要時間の違い ・交通事情による変動への対応 ・優先対応の条件
復旧目標時間	・システム重要度による分類 ・目標時間の定義方法 ・達成できない場合の対応

また、これらの基準を満たせなかった場合の補償内容についても確認が必要です。SLAの内容は保守料金に直結するため、自社の業務に必要な水準を見極めたうえで契約内容を検討することをおすすめします。

データ復旧サービスの内容確認：復旧範囲や復旧方法

データ復旧サービスは、企業の事業継続性に直結する重要な要素です。契約前に以下の項目を確認することで、万が一の際のリスクを最小限に抑えられます。

• 復旧対象となるデータ
• 業務用アプリケーションのデータ
• メールデータやドキュメントファイル
• システム設定情報

復旧方法については、定期バックアップからの復元を基本としつつ、物理障害やウイルス感染時の特殊復旧にも対応可能か確認が必要です。

とくに重要なのは、復旧作業中の代替機提供やデータ復旧作業の所要時間の明示です。また、復旧作業時の情報セキュリティ対策や、復旧できなかった場合の補償範囲についても事前確認を推奨します。

セキュリティ対策の確認：ウイルス対策や情報漏えい対策

法人向けパソコン保守契約では、包括的なセキュリティ対策の内容を確認することが大切です。以下の観点から、サービス内容を詳細に確認しましょう。

対策カテゴリー	おもな確認項目
ウイルス対策	・ウイルス対策ソフトの種類と更新頻度 ・マルウェア検知時の対応手順 ・定期的なスキャン実施の有無
情報漏えい対策	・暗号化ツールの導入と運用管理 ・アクセス権限の設定と見直し ・リモートワーク時の対策
インシデント対応	・セキュリティ事故時の初動対応 ・被害拡大防止の措置や報告体制と復旧手順

とくに重要なのは、セキュリティ対策の実施状況を定期的にレポートする体制の有無です。また、従業員向けのセキュリティ教育プログラムの提供も、付加価値の高いサービスとして注目されています。

契約期間と解約条件の確認：自動更新の有無や違約金

法人パソコン保守契約では、契約期間と解約に関する条件を明確に理解することが大切です。契約時には以下の項目を必ず確認しましょう。

契約項目	内容
基本契約期間	・初回契約期間や契約満了日 ・自動更新の有無
解約条件	・予告期間や違約金 ・定期的な見直し（四半期など）

とくに注意が必要なのは、自動更新後の料金改定の可能性です。物価上昇や新技術対応により、更新時に料金が変更されるケースがあるため、更新前の確認が推奨されます。また、事業規模の急な変更に対応できる、柔軟な契約変更条項の有無も確認しておくとよいでしょう。